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子育てサロン発 インタビュー あの人に聞きたい!新宿子育て応援団

子育てサロンのメンバーの企画の連載インタビュー。
企画から記事するまでを子育てサロンのメンバーが行っています。
毎月お一人のインタビュー記事を掲載しています。お楽しみに!

第11回 2008.5

やなせ たかしさん(詩人・絵本作家)
1919年 高知県に生まれる。新宿区片町在住50年以上。
1994年 新宿・四谷に「アンパンマンショップ」開店。

「アンパンマンの食器を使ったら、子どもがご飯をよく食べるようになった」「アンパンマンの歯磨きを使ったら、喜んで歯を磨くようになった」・・・お母さん達のそんな声をよく耳にします。四谷にあるアンパンマンショップは子ども達にとって、まさにファンタジーワールド。まるで、子どもの心をつかむ魔法を持っているかのように、多くの子ども達から愛されている「アンパンマン」。その生みの親である、やなせたかしさんにお会いしたい!私達のそんな大それた願いが叶い、夢のようなインタビューが実現しました。
期待と緊張でドキドキしながらインタビューに臨んだ私達は、優しさと絶対に曲がることのない芯のある厳しさをあわせもった、やなせさんの子ども達に対する、そのまなざしに大感激。そして、「手のひらを太陽に」の作詞でも知られているやなせさんが、歌詞をてがけた主題歌「アンパンマンのマーチ」の『何をして生きるのか』という問いかけの、その答えのヒントをいただいたように思います。

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Q ここ新宿でお好きなところはどこですか?
これはですね、外苑東通りです。なぜならアンパンショップがあるから(笑)。どうしてあそこかって言うとですね、新宿を通る道はわりと賑やかなんですけど、外苑から来る道はすたれてるんです。それでも結構お店があったんですけど、バブルがはじけて通りが真っ暗になってしまった。じゃあひとつ画廊でもつくろうか、壁に絵を飾って係が一人いればいいからと。でも、いつの間にやらショップになってしまってですね、それからはポツポツ通りの店舗に借り手がついたんですよ。僕はショップ前の大きなアンパンマン人形は、お地蔵さんみたいなものと思ってるんです。ショップにはテレビも子どもが遊べるスペースもあるから、お母さんがちょっと買い物するあいだ、遊ばせておけばいいんです。あと、御苑(新宿御苑)も好きです。僕が「新宿に住んでる」って言うと「あんな所に?」って言う人が多いの、有名なのが歌舞伎町だから。でも御苑のあたりはもちろん、意外と緑が多くて、ちょっと裏に入ると閑静な住宅地もあって、でも西口へ出ると外国みたいな超高層ビル街だったり、非常に多様な町ですよね。今となってはそれがまぁ良くてですね。初めは銀座に住みたいと思っていたけど、何かの運命ですね。僕がいるから都庁も移ってきたんじゃないかな(笑)。

Q アンパンマンを通じて、子ども達に伝えたいメッセージをお聞かせください
面白く読んでもらえればそれで結構なんだけども…。肝心なことはですね、主題歌にある「何のために生まれて、何をして生きるのか」ってことです。それまでのヒーローはですね、悪い奴をやっつけてくれるけども、ひもじい人を助けるっていうのはあんまりやらなかった。だけど人間が一番辛いのはですね、飢えることなんです。ですからアンパンマンは、まずお腹がすいた人が顔を食べられるってことが一番大事なんですね。でも食べ物だから、ちょっと汚れても、でこぼこになっても、濡れても、弱る。絶えず新しいものに替えなくちゃいけない。つまりですね、いつも新鮮なものを食べて元気にやろう、そうして弱い人がいれば助けなくっちゃならない、ってこと。
あとですね、生きていくうえで「人を喜ばせること」が一番面白くて、自分も嬉しくなること。人生って言うのはですね、スムーズにはいかない、辛いこともある。じゃあ、お互い喜ばせごっこをすればいい。例えばお母さんなら、家族のためにおいしい料理を作る。そこで皆が「おいしい」って言うとお母さんは喜ぶ。じゃあ子どもはって言うと、お母さんを喜ばせるためにいい成績をとってくればいい。すべての人が喜ばせごっこをやっていれば、だんだん世の中は良くなるってことなんです。

Q 情緒豊かな子どもを育むために大人ができることはなんでしょうか?
難しいことはわかりませんけど。やっぱり大人自身がですね、絶えず勉強してなくちゃいけないってことなんだよね。ただ「情緒豊かな人間になりなさい」って子どもに言っても、大人が見本を見せないと。まあ、そういう人間になるためには「よい音楽を聴く」「よい絵を見る」それから「よい本を読む」ってことじゃない?
例えば親が音楽をやっている家だと、そこの子どもはだいたい音楽家になるのが多い。なぜかというと親がやっている姿を見ているうちに自然とそうなっていくからです。そこで、じゃあ親は具体的にどうすればいいのか?ってことですが…自分が読んでいいと思った本を、「これは絶対に読んではいけない」って子どもに言うことです。そうすれば子どもは絶対に読みますから(爆)

Q アンパンマン好きの子ども達とのふれあいの中で、印象深いエピソードはありますか?
これを話し出すと2週間はかかっちゃうから、一つだけ(笑)。僕は病気がちでよく入院するんですが、その時に難病の子どもを見かけたりするわけです。ある寝たきりの子どもがいて、ドクターがですね「この子は、もうあと2週間しか命がありません。先生、アンパンマンが好きなので会わせてあげられますか?」と。それじゃあって、着ぐるみですけど連れてって、その子に「アンパンマンだよ」と言うのですが、まったく動かないし全然表情も変えない。でもドクターはとても喜んでいますって言うんだよね。何かの反応でわかるって言うんですよ。そうしてですね、僕が退院してまた1ヶ月後に病院へ行った時に「ところで、あの子はどうなりましたか?」って聞いたんですよ。それがね、驚くべきことが起きてですね、あの日から元気になって、そうして今は車椅子で跳ね回っていますって。先生がですね、やっぱりこういう不思議なことがあるんですねって。体力も回復して手術も可能になりましたと。「嬉しい」っていうところで気力が出て助かることがあるんですよ。ただしですね、じゃあ、みんなにアンパンマンを見せれば元気になるのかって言うと、そういうわけではない。1000人いる中の1人くらいってことなんですね。アンパンマンが大好きだけど難病で亡くなった子もたくさんいるんです。

Q 現代の子育て世代へ、ひとことお願いします
そんな偉そうなことは言えません。僕は教育者じゃないしね、ただの絵本作家にすぎない。しがない人気稼業だから、人気が落ちたらあっという間に無収入。一寸先はわからない、何の保障もありませんから。あれ、脱線してしまったかな(笑)。…そうですね、子どもっていうのは5歳まではきっちりしつけなくちゃいけないでしょうね。今のお母さん達は甘いんですね、子どもの好きなようにさせてしまってる。そうすると大きくなって、ひねくれてしまうんです。「奇跡の人」って話で、ヘレンケラーは子ども時代どうしようもない奴で、両親もひどいわがままに手を焼いてたんです。そこへあの先生がやってきて厳格に育てていくわけなんです。彼女が良い悪いをきちんと教えたから、ヘレンは素直な人間になれたんですね。昔から「三つ子の魂百まで」って言うでしょ。子どもは白紙の状態だから「これはいけない」「これはいい」と、しっかり教えないと駄目なんです。もし親が自信なければ、サリバン先生みたいな優秀な方にしつけてもらえばいい。そうしてですね、15歳くらいになれば自分で自覚できるようになりますから、今度はあんまり干渉しないで、子どもに責任を持たせて何でもやらせてあげればいいんです。

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アンパンマンショップ  http://www.anpanmanshop.co.jp/
新宿区舟町7  東京メトロ丸の内線四谷三丁目駅より徒歩3分 
営業時間 12:00〜18:00 年中無休
電話・FAX 03−3226−8180
(フルート ミニコンサート 毎週金曜日14:00〜&15:00〜 各15分)

子どもの早起きをすすめる会  http://www.hayaoki.jp/cd_making.cfm
以下の2曲は、やなせ先生が作詞およびコーラス参加しています。
「早起きの歌」いつでもどこでも誰とでも、朝、元気に踊れる体操曲
「ねむれマドローム」幼子を寝かしつける癒しの歌で優しい気持ちで眠りに入れる歌